<< 南木曽から支援の木材 | top | 平成19年 6月20日 >>

世界中で、一番安くなった日本の杉の話

  〜鹿児島大学・遠藤日雄教授に聴く〜


 信じられない話を聴きました。一瞬、耳を疑いました。

 日本の杉は、今、世界中で一番「安い!」というのです。
なんと、1立方あたり約1万円也。 びっくりしてしまいました。

 なぜなら、日本の林業が立ち行かなくなって、
日本全国の山々が荒廃してしまったのは、
外国からコストの安い材木が輸入されるようになったからだと
聞いていたからです。

 思わず、遠藤教授に聴き返しました。
「本当に世界一安いというなら、なぜ日本の木材市場に
木材が集まってくるのですか?」
「それは、山に見切りをつけた不在地主が、値段はいくらでもいいからと、
伐倒・処分を業者に依頼しているからです。」

 それはどういうことか。
山林を所有していると、毎年の少しばかりの固定資産税と
相続の際の相続税がかかります。
時代とともに先祖が植えた森の木々は、
子供や孫へと相続され、山の生活も、山の境もわからない者に
バトンが手渡されました。

 山で働いていた人たちの子孫は都会へと移り住み、
「不在地主」と呼ばれるようになったのです。
「持っていても邪魔。何の価値もない」
と不在地主から山は疎んじられるようになりました。

 20年前に500万円の価値であった山林も、
今の価格では10万円だとぼやきます。
そして、その10万円という現金を得るために、伐倒し売却します。
「山に見切りをつけた」とは、こういうことなのです。

 伐倒された後のハゲ山には、もう植林がなされることはありません。
植林には、お金の問題だけでなく、地ならしなどの途方も無い手間が
かかるからです。でも、その手間をかけて、子々孫々に山を残すために、
先祖代々ずーっと植林を続けてきました。

 国破れて山河なし。
このまま森が消え、人が生きてゆくことができるのでしょうか?
鳥が空を舞えるのでしょうか?

 近年、日本では暖冬が続いています。
明らかに地球温暖化のせいでしょう。
何年も前から、地球温暖化が叫ばれてきました。
それでも、京都議定書に批准しない大国があります。

 我々も、「そんなことは、何十年も先のことだろう。」などと、
バカにしていたところがあるのではないでしょうか。
それが近年、ものすごいスピードで現実のものとなってきました。
それも、見える速さで。
日本の山の荒廃も、同じことがいえます。
もう、どうしようもないところまで来ているのです。

 日本の林業の生産高は年間4000億円と言われています。
日本の木材消費量は、年間一人当たり1立方メートル、つまり
1メートル角のサイコロ一個分です。
その消費分と同量が今も日本の山で自然に成長しています。
なんと、現在、国内消費量の8割が海外から輸入されているのですが、
これをストップしても、すべて自給自足できるのです。
国内産の材で生産と消費が循環していけるのです。

 森があってこそ、木の根に40%の水が残り、地下水が保たれ、
時とともに少しずつ浸透し、湧き水となって我々の飲み水となります。

 今年の冬は、山に雪がありません。
源流の里に、雪解け水が流れてこないのです。
きっと、夏が来ると、全国的に給水制限が実施される
可能性が高いでしょう。
もしもこれが、神の警鐘なら、自らの行える一歩を
自ら考えて踏み出したいものです。
たとえそれが、小さな一歩でも。

 最後に、私の心の師である詩人・坂村真民先生の詩を
添えさせていただきます。

鳥は飛ばねばならぬ。

人は生きねばならぬ。

怒涛の海を飛びゆく鳥のように

混沌のヨを生きねばならぬ。

鳥は本能的に

暗黒を突破すれば

光明の島に着くことを知っている。

そのように人も

一寸先は闇でなく

光であることを知らねばならぬ

             坂村真民
nagiso | その他の活動 | 13:16 | - | - | - | - |

10
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
LATEST ENTRY
CATEGORY
ARCHIVE
LINKS
PROFILE
SEARCH