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柴原薫「日本の林業は終わる」

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                南木曽木材産業(株) 柴原薫

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□ 木曽は山の中新聞 第364号 【2018年08月30日(木)】
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南木曽木材産業(株)柴原薫 http://nagiso.co.jp/

            ≪ 目次 ≫

[ 1 ]柴原薫「日本の林業は終わる」

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[ 1 ]柴原薫「日本の林業は終わる」

『日本の林業は終わる』
〜しかし、山バカ二代目としてハチドリの一滴を生じる為に暗中模索の中、木材の本来の生かし方・消費先を探し、棺(旅立ちの舟)に辿り着く〜

南木曽木材産業株式会社
柴原 薫氏

◆仕事がない

私は伊勢神宮の御神木も納めている木こりです。このように言ってしまうと何か凄いことをしている人間に聞こえるかもしれませんが、伊勢神宮のご遷宮は二十年に一回しか仕事がないのです。さらに、「伊勢神宮に収めています」と言うと、皆さん、「うちはそんな高い材木は買えません」なんて言われることもあります。

昨年の十一月十三日に父が他界をいたしましたが、その父が創業したのはおよそ六十年前。何も山を持たない祖父が山の仕事を始めて、父が古い製材工場を買って企業しました。当時はなかなか景気が良かつたらしいです。 しかし、私が受け継いだ時代は本当に厳しい時代で、お客さんがどんどん減っていき、父の代には売上高が十三億八千万円だったのが、私の時代には三千万円ちょっとにしかならなくなりました。そして、四十五人いた従業員が、二十人ぐらいになりました。

とにかく仕事がないんです。二十五年前、最も倒産するのが多かったのが桶屋と建具屋だったのです。それで私たちの会社の一番のお客様がこれら二つの業種だったので、次第に発注の電話が鳴らなくなっていったのです。山に立っている木があって、それを木こりが切り出して、それを柱にして製材工場に持っていき、そして大工がいて、家具屋がいて、建具屋がいて…、そして最終的にそれを買ってくれる人がいなければ林業は成り立たっていかないわけです。そういうことを考えたときに「林業が終わった」ということを感じずにはいられません。

◆それでも私が山を守る理由

静岡県沼津市に三十六万坪の山があります。この山はバブルの時代に大手ゼネコンが買い占めたものです。その山を父が買ったのですが、固定資産税が年間十万円しかかからない。それで父が亡くなったら、私が相続をしようとするわけですが、私は税金がかからないと思っていました。すると、税理士さんが、「一億五千万円くらい相続税がかかりますよ」と教えてくれました。当然、そんなお金はあるわけがありません。「どうしたらいいですか」と聞くと、「もし、中国人が十万円で売って欲しいと言ってきたら売りなさい」と言われたのです。
親父の生き方を考えた時に、「製材業という立場で木々を殺生した人間が山を守れなくてどうするんだ」という思いが湧いてきました。それで、借金をして父が生きている内に会社で買うことにしたのです。

日本の林業を振り返ると、戦後の日本の政策として、焼け野原になった山を一斉造林して、杉ばっかり、ヒノキばっかり、カラ松ばっかり、という植え方をした時代がありました。そのことを一部の評論家たちは、「あんな政策をしたから駄目だったんだ」と論じています。けれども、あの戦後復興の時代というのは、木材は住宅に使われる確率が圧倒的に高く、その用途に使うためには杉やカラ松という木は成長が早いので非常に便利だったのです。

また我われの立場からみたときに、軽トラもないあの時代に、どうやって植林をしたんだろうと思うわけです。今、軽トラで山元まで行くと二時間もかかる山に、さらに二時間半かけて登って、植林に行った先輩たちがおられたわけです。そんな先輩方のことを思うと、「あの時代の林業政策は駄目だった」というような机上の論は、私にはとても言えません。現実にあの山に登っていた人たちのことを思うと、なんて尊いと思うわけです。

<来週に続く>

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◆◇ 【木曽は山の中新聞】発行◇◆

南木曽木材産業株式会社

効率や採算性が重視される時代になっても、私たちは頑なに、
家づくりのすべてを提供しております。なぜなら、これが一番、
お客さまに安心していただけるからです。植林して、間伐し、
製材して、家を建てる。すでに私たちは五十年近く、同じことを
続けております。家は一生の財産。お客様の夢を、柱一本から
実現できることが、私たちの誇りです。

代表取締役 柴原 薫
info@nagiso.co.jp

[柴原のブログ] http://blog.nagiso.co.jp/

〒399-5302 長野県木曽郡南木曽町吾妻1187
TEL/0264-57-3044 FAX/0264-57-2006
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